アップルパイの味の骨格を決めるのが、主役となるりんごの選び方と煮込み方です。栗原はるみさんの紅玉りんご煮の作り方では、加熱しても形が崩れにくく爽やかな酸味を持つ「紅玉(こうぎょく)」の個性を最大限に引き出します。
皮をむいてくし形にカットしたりんごに砂糖をまぶし、水分が出てきたら中火で手早く煮絡めていきます。最初から強火にせず、じんわりと果汁を引き出しながら、仕上げに強火で一気に水分を飛ばすのが栗原流の真髄です。火を止める直前にバターとシナモン、レモン汁を加えることで、ツヤやかな照りと芳醇な香りを閉じ込めます。ふじやジョナゴールドなど他の品種を使う場合は、レモン汁を少し多めに加えて酸味の輪郭を際立たせると、バランスの良いフィリングに仕上がります。