地方採用のノンキャリア警察官にとって、人生を左右する最大の試練が「昇任試験」です。特に最初の関門である「巡査部長昇任試験」は、大卒で採用後2年、短大卒で3年、高卒で4年経過すると受験資格が得られますが、その実態は「公務員試験以上の過酷なペーパーテストと実務評価の戦い」です。
警察関係者の証言や手記によると、試験突破に向けた現場の過酷さは想像を絶します。
「当直勤務で24時間不眠不休の事件処理をこなした後、非番の日に警察学校の図書館や自室にこもり、憲法・刑法・刑事訴訟法・警察実務規範の判例を暗記する日々が続きます。合格率は都道府県によって異なりますが約8〜12%。現場でいくら犯人を捕まえても、法学の論文試験と勤務評定が伴わなければ一生巡査のままです」(元警視庁警察官の手記より)
近年では、昇任に伴う責任の重大化(部下の不祥事連帯責任、管理業務の激増)と時間外労働の増加を嫌い、「あえて昇任試験を受けない、あるいは形だけ受験して巡査長にとどまる」という選択をする20〜30代の若手警察官も増加傾向にあります。組織社会学の観点からも、昭和・平成期のような「がむしゃらに階級を上げて一家を支える」という単一の価値観から、ワークライフバランスを重視する現代的な心理傾向へのシフトが現場に影響を与えています。
【プロの結論】警察組織のキャリア形成に向いている人・慎重になるべき人の判断基準
警察という厳格な階級社会への就職・転職、あるいは組織内でのキャリアアップを目指すにあたり、以下の適性見極めが不可欠です。
- 向いている人:
- 明確な上下関係と指揮命令系統の中で、チームワークと規律を重んじることができる人。
- 過酷な当直勤務や突発事案の中でも、継続的に法律や実務知識をインプットできる自己管理能力がある人。
- 身分の安定と手厚い福利厚生、社会正義への貢献に強いやりがいを感じられる人。
- 慎重になるべき人:
- 個人の裁量権や自由な発想、フラットな人間関係を最優先に働きたい人。
- 理不尽な年功序列や、キャリアとノンキャリアの学歴・採用区分による構造的格差を受け入れられない人。
- プライベートの時間を完全に固定化し、突発的な呼び出しや転勤を避けたい人。