まるさんかくしかくの真相|話題のタルトと禅画の謎を徹底解剖

まるさんかくしかくの真相|話題のタルトと禅画の謎を徹底解剖

まるさんかくしかくの真相|話題のタルトと禅画の謎を徹底解剖の要点や背景をコンパクトにまとめました。全体像を一目で把握できます。

スイーツの領域を離れ、日本文化の歴史的深淵に目を向けると、「まるさんかくしかく」は江戸時代後期の臨済宗古月派の禅僧・仙厓義梵(1750–1837)が残した不朽の名画に行き着きます。東京・出光美術館が所蔵する重要文化財指定の墨画には、画面右から順に「〇」「△」「□」の3つの図形のみが大胆な筆致で描かれ、落款(仙厓の署名と印)以外の言葉による解説は一切添えられていません。

この極限まで削ぎ落とされた図画が何を意味しているのかについては、美術史家や仏教学者の間で現在に至るまで複数の有力な解釈が議論されています。

  • 宇宙万物の成り立ち説(四大・五大思想):古代インドや仏教における「地・水・火・風・空」の構成要素を図案化したもの。丸は水(あるいは空)、三角は火、四角は地を表し、森羅万象の根源を示したとする見解。
  • 禅の修行プロセス説:「□(囚われや迷いのある人間の状態・戒律)」から、座禅や合掌を意味する「△(修行の実践)」を経て、角が取れて何ものにも囚われない「〇(円相・完全な悟り)」へと至る精神的成長を描いたとする解釈。
  • 三教一致説(神・儒・仏):丸を神道の鏡(神道)、三角を儒教の礼節・天地人、四角を仏教の四諦・四方に見立て、東洋の主要な三つの思想が根本において一つに調和していることを説いたという説。

仙厓は当時の堅苦しい禅の教えを、ユーモアと親しみやすい筆致で民衆にわかりやすく説いた「博多の仙厓さん」として親しまれました。言葉を尽くして教義を説くのではなく、見る者自身の内面に「この図形は何を語りかけているのか?」と問いを投げかける手法こそ、禅の神髄である「不立文字(ふりゅうもんじ)」の究極形といえます。

阿部 裕樹
著者

阿部 裕樹

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。