インターネット上の掲示板等で長年囁かれてきた「ボカロ曲は原曲キーで歌わなければダサい」「キー変更やオク下歌唱は逃げである」という言説は、歌唱力向上と喉の健康を妨げる完全な誤解です。
そもそもボーカロイドは楽器(シンセサイザー)であり、作曲者が設定したキーは「そのボカロライブラリの周波数特性が最も綺麗に響く高さ」に過ぎません。人間が生身の声帯で歌う以上、自分の得意音域にトランスポーズ(移調)させる行為は、プロのレコーディングでも当たり前に行われる高度な音楽的アプローチです。
特に男性が女性ボカロ曲を歌う際、「キーを4〜5個上げてオク下で歌う」という裏技は非常に有効です。原曲キーのままオク下で歌うと低すぎてボソボソ声になりがちですが、あえてキー設定をプラス調整した上で1オクターブ下を歌うと、男性の最も豊かな中低音域(バリトン〜テノール)にジャストフィットし、マイク乗りが劇的に改善します。