数ある彼女のグラビア作品の中でも、ファンの間で金字塔として語り継がれているのが、2011年11月にリリースされたファースト写真集『まっか』(集英社)です。気鋭の写真家・熊谷貫がカメラマンを務めた本作は、鹿児島出身の彼女のルーツにも通じる奄美大島の雄大な大自然を舞台に撮影されました。
タイトルの『まっか』が示す通り、南国の太陽の下で赤く染まる果実のような生命力と、20代前半を迎えた女性の繊細な揺らぎが見事なコントラストを描き出しています。特に話題を呼んだのが、砂浜や岩場で披露された大胆な水着画像や、新体操のダイナミックな跳躍を彷彿とさせるポーズの数々でした。重力を感じさせない身のこなしと、濡れた肌に反射する光の陰影は、アイドルのイメージビデオ的な演出とは一線を画す、極めて高い芸術性を誇っています。
当時のインタビューにおいて、入来茉里本人は「カメラの前に立つときは、恥ずかしさよりも『自分という素材を通してひとつの作品を完成させる』という意識が強かった」と述懐しています。このストイックな表現者意識こそが、過激な露出に頼ることなく、見る者の心に深く刺さるビジュアルを生み出した原動力でした。
その後も各誌面で見せたランジェリー姿やナチュラルなビキニ姿は、回を重ねるごとに表現の深みを増していきました。少女のようなあどけない笑顔と、ふとした瞬間に見せる憂いを帯びた大人の眼差し。この二面性のギャップが、グラビアファンのみならずカルチャー愛好家たちの収集欲を刺激し続けたのです。