松山ケンイチ若い頃の神ビジュアル!L役から現在への軌跡を徹底解剖

松山ケンイチ若い頃の神ビジュアル!L役から現在への軌跡を徹底解剖

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L役での爆発的な成功は、若手俳優にとって「イメージの固定化」という巨大なリスクと隣り合わせでした。しかし松山ケンイチの真骨頂は、その神話的な美少年像を自ら進んで解体していった点にあります。

2008年の映画『デトロイト・メタル・シティ』では、オシャレな渋谷系ポップスを愛する気弱な青年・根岸崇一と、悪魔的デスメタルバンドのカリスマボーカル・ヨハネ・クラウザーII世という両極端な二重生活を爆笑と狂気の中で怪演。前年のL役から完全に脱色されたその振り幅の広さに、業界関係者や映画評論家は舌を巻きました。さらに2010年には、村上春樹の世界的ベストセラーをトラン・アン・ユン監督が映画化した『ノルウェイの森』で主人公・ワタナベ役を繊細に演じ、ヴェネツィア国際映画祭のレッドカーペットを踏むこととなります。

松山ケンイチのキャリアにおける年代ごとの肉体変化、演技アプローチ、およびライフスタイルの変遷を整理した客観比較データは以下の通りです。

年代・時期主な代表作と出演映画ビジュアル・体重設定の傾向表現スタイル・編集部による分析2001年〜2005年
(10代後半)『ごくせん』
『アカルイミライ』
『男たちの大和/YAMATO』体重60kg前後(推定)。
極めてスリムで中性的な透明感。瑞々しい原石感。荒削りながらも天性の鋭い眼光とシャープな輪郭が際立つ。2006年〜2011年
(20代前半〜中盤)『DEATH NOTE』前後編
『デトロイト・メタル・シティ』
『カムイ外伝』『ノルウェイの森』役ごとに体重を激しく増減。
L役では病的なまでの減量を敢行。憑依型カメレオン俳優の確立期。記号的な美少年像を軽々と裏切る演技幅の獲得。2012年〜2018年
(20代後半〜30代前半)大河ドラマ『平清盛』
『聖の青春』
『関ヶ原』『聖の青春』で20kg以上の増量。
肉体を役に完全に捧げるアプローチ。役者としての覚悟が極限に達した時期。外見の美醜を超越した人間臭い芝居へ昇華。2019年〜2026年現在
(30代後半〜40代へ)『BLUE/ブルー』『川っぺりムコリッタ』
連続テレビ小説『虎に翼』
映画・舞台の重鎮ポジション自然体の引き締まった体躯。
年齢に応じた渋みと深い滋味。東京と地方の二拠点生活が演技に還元。力みの抜けた円熟のリアリズムを体現。

特に特筆すべきは、2016年の映画『聖の青春』における役作りです。29歳で夭折した天才棋士・村山聖を演じるにあたり、松山ケンイチは短期間で20kg以上体重を増やし、歩き方から扇子の扱い、病に苦しむ息遣いに至るまで生前の本人を完璧に再現しました。同作で第40回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞した際、「ビジュアルを綺麗に見せることなど、表現の本質の前では何の価値もない」と言わんばかりのプロフェッショナリズムは、共演者や監督陣から絶大な敬意を集めました。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。