どれほど精巧にカットされていても、整髪料の選択とベースドライを誤るとスタイルが崩壊します。震災刈りのセットにおける最重要工程は、「ドライヤーによる分け目付け」に集約されます。
髪が濡れた状態から、分け目に温風を当てて「生え癖」を完全に寝かせます。流したい方向へ向けて手ぐしを通しながら根元を立ち上げ、最後に冷風を5秒当てることで形状記憶を完了させます。このベース作りを怠ると、日中にトップが割れたり浮き上がったりする原因になります。
使用する整髪料は、マット系ワックスではなく水性ポマード(グリース)の一択です。大正時代は油性ポマードが主役でしたが、現代の主流はシャンプー1回で完全に洗い流せる「水性ポマード」へと完全にシフトしています。
手のひらに500円玉大のポマードを取り、指の間までムラなく伸ばした後、立ち上げたトップの内側から後頭部、最後に表面へと馴染ませます。仕上げに「メッシュコーム(歯の間隔が広いコーム)」を使用し、毛流れに沿って一気に梳かすことで、手ぐしでは不可能な美しい毛束感とツヤが生まれます。