1990年代初頭、目黒鹿鳴館や市川CLUB GIOといった老舗ライブハウスから火がついた90年代インディーズV系ブームは、インディーズレーベル「Extasy Records(X JAPANのYOSHIKI主宰)」や「Free-Will(COLORのDynamite Tommy主宰)」の台頭によって急速に全国区へと拡大しました。
インディーズでありながら日本武道館や東京ドームを視野に入れるバンドが次々と現れ、1990年代半ばから後半にかけては、テレビ東京系『Break Out』の全国放送が起爆剤となり、全国の中高生が深夜の音楽番組に釘付けになる社会現象へと発展します。この時代を象徴するビジュアル系黄金期バンド一覧を俯瞰すると、音楽的にも視覚的にも極めて多層的な構造を持っていたことが分かります。
美意識の追求は、単なる化粧にとどまりませんでした。90年代ヴィジュアル系メイクと衣装は、耽美的なヨーロッパ貴族風のドレス、エナメルやレザーを基調としたボンデージスタイル、サイバーパンク調の近未来スーツ、そして白塗りや血糊を用いたグロテスク・ゴシックまで多岐にわたりました。ファンもまた手作りの衣装を身に纏い、ライブ会場前に集結する「コスプレ文化」を形成。ストリートファッションや原宿カルチャーと強烈に連動しながら、唯一無二のユースカルチャーを築き上げたのです。