「公務員は公人だから肖像権など存在しない」という主張を耳にすることがありますが、これは法的に明白な誤りです。憲法第13条を根拠とする肖像権やプライバシー権は、地方公務員であっても勤務中・私生活を問わず等しく享有しています。
最高裁判所の判例(最判平成17年11月10日など)では、肖像権侵害の成否について「被撮影者の社会的地位、被撮影者の活動内容、撮影の場所、撮影の目的、撮影の態様、撮影の必要性等を総合考慮し、被撮影者の人格的利益の侵害が社会生活上受忍の限度を超えるかどうか」で判断する枠組みを確立しています。
公務員の職務執行に対する監視や報道の自由という公益的側面は考慮されるものの、特定の職員の顔をアップで執拗に撮影したり、嘲笑や威圧を目的とした撮影は「受忍限度」を遥かに超えていると司法は判断します。公務員であることの一点のみを理由に、人格権の全面的な放棄を強いられることは一切ありません。