人間は、完璧すぎる存在に対して無意識のうちに恐怖や嫉妬、あるいは不信感を抱くことがある。心理学的に「アンチカタルシス」とも言えるこの現象は、羽生結弦というアスリート・表現者のあり方に顕著に現れている。
技術、表現力、ルックス、そしてストイックな生き様に至るまで、彼は常に隙のない完璧さを追い求めてきた。しかし、その超人的な努力と完成度の高さが、一部の人々にとっては「人間味の欠如」や「付け入る隙のない圧力」として感じられる。泥臭さや弱さを隠さないアスリート像に親しみを感じる層にとって、彼の凛とした立ち振る舞いは、ある種の「とっつきにくさ」を生み出す一因となっている。