長田作品を象徴する最大の魅力は、息もつかせぬスリルを誇るクライムサスペンスの裏に、深く重厚なヒューマンドラマが息づいている点にある。危険な裏社会や極限状態を描きながらも、人間の本質的な孤独や愛、怒りといった感情を丁寧にすくい上げる。
画面の陰影から衣装の細部に至るまで、徹底的に計算し尽くされた美術設定とキャスティングの妙。観客を画面の奥深くまで引きずり込むテンポの良さは、彼が現場で培った確かな演出眼とプロデュース思想に裏打ちされている。だからこそ、どのシーンを切り取っても圧倒的な説得力が漂うのだ。