欲望と食の衝撃作『Butter』が国内外で再び脚光を浴びる理由

欲望と食の衝撃作『Butter』が国内外で再び脚光を浴びる理由

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柚木麻子のキャリアにおいて、『BUTTER』は前作『ナイルパーチの女子会』で提示された「女性同士の距離感と執着」というテーマをさらに推し進めた到達点と言える。『ナイルパーチの女子会』が女同士の友情に潜む深淵な毒を描き出したとすれば、本作はその視界を社会構造全体へと広げ、巨大なシステムに対する個人の闘いへと昇華させた。

こうした一連の傑作は、出版業界における「女性向け文学」の概念を根底から塗り替えた。単なる日常の共感や恋愛模様にとどまらず、社会の痛点に容赦なく踏み込むエンターテインメントの構築。新潮社をはじめとする大手出版社がフェミニズムやジェンダーをテーマにした文芸作品を積極的に世に送り出す大きな潮流を作った背景には、間違いなく彼女の切り拓いた道筋が存在する。

石川 優花
著者

石川 優花

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。