金田哲のキャリアにおいて決定的な転機となったのが、NHK大河ドラマ『光る君へ』における藤原斉信(ふじわらのただのぶ)役への抜擢でした。平安貴族の華やかさと、宮廷政治のなかで出世を目指す野心や狡猾さ、そしてどこか憎めない人間味を見事に体現し、視聴者やドラマ評論家から絶賛を集めました。
お笑い芸人が大河ドラマに出演する際、時に「コントに見えてしまう」「浮いてしまう」といった懸念が持たれがちですが、金田の場合は立ち居振る舞いの美しさと台詞の抑揚が極めて自然であり、平安絵巻の世界観に見事に溶け込んでいました。この成功は偶然ではなく、2009年の映画単独初主演作『私の優しくない先輩』や数々の舞台経験を通じて培ってきた「役への没入度」と「身体表現の確かさ」の結実といえます。