この事件において、JRAの対応は後手に回り続けた。角田元騎手の安否に関する噂がネット上で錯綜する中、JRAが正式に彼の死を発表したのは、事態発生から数日以上が経過した8月10日のことだった。しかも、遺族の意向を理由に、詳細な死因や日時については一切公表されなかった。
この徹底した「情報統制」は、結果として逆効果を生んだ。SNS上では根拠のない陰謀論や誹謗中傷、憶測が飛び交い、競馬界全体のクリーンなイメージは大きく傷つくことになった。公営ギャンブルを運営する団体として、個人のプライバシー保護と説明責任のバランスをどう取るべきだったのか。この時のJRAの姿勢は、危機管理の失敗例として今もメディア論の中で語り継がれている。