彼女の強靭なメンタリティとタフネスの根底には、学生時代に培った泥臭い鍛錬の日々がある。大東文化大学陸上競技部で過ごした4年間は、決して平坦な道ばかりではなかった。駅伝での悔しい敗戦や怪我の苦しみを味わいながらも、ロードでの圧倒的な強さを着実に育んでいった。トラックのスピード勝負にとどまらず、ロード特有の起伏や風を味方につけるしなやかさは、この時期に徹底して体に叩き込まれたものだ。
その真骨頂が発揮されたのが、土砂降りの雨と冷風が選手たちを苦しめたマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)だった。過酷を極めるサバイバルレースの中で、彼女は冷静沈着に機をうかがい、終盤の勝負どころで鮮烈なスパートを炸裂させた。日本陸上競技連盟が設定した厳しい選考基準を真っ向から突破し、頂点を掴み取ったあの瞬間、長距離界に新時代の到来が告げられた。