このクルマの本当の恐ろしさは、カタログに載っている標準仕様では誰も満足しない点にある。オーナーの多くが注文するのが、完全オーダーメイドシステム「ビスポーク」だ。内装のレザーカラーは無限に近い選択肢から選ばれ、イニシャルの刺繍や特殊なウッドパネルの配置など、細部に至るまで個人の好みが反映される。
天井に無数のLEDを埋め込み、夜空の流れ星を再現する「スターライト・ヘッドライナー」は定番のオプションだが、これだけでも数百万円クラスの追加費用が発生する。さらに、著名なカスタムブランドのエアロパーツや鍛造ホイールを装着し、総額が1億円を軽く突破するケースも珍しくない。表舞台に立つ者たちがこれほどまでに特注仕様へこだわるのは、他者とかぶらない「世界に一機だけの存在」を求めているからに他ならない。