お金を正しく封筒に入れたとしても、最後の「渡し方」で粗相をしてしまっては台無しです。葬儀や法要の現場を取材すると、多くの参列者がやりがちなNG行為が浮き彫りになります。
最も多い失敗例が、「封筒を手から手へと直接手渡ししてしまうこと」です。仏事において、お布施をそのまま直接手渡すのは非常に失礼な行為とみなされます。
正式な渡し方は、「切手盆(きってぼん)」と呼ばれる小さな漆塗りの黒いお盆に乗せる方法、あるいは「袱紗(ふくさ)」の上に封筒を乗せて差し出す方法です。
渡すタイミングは、法要が始まる前の挨拶時、あるいは法要が滞りなく終了し、僧侶が引き上げる前の挨拶時が適しています。僧侶に向き直り、「本日はお心のこもったお勤めをいただき、誠にありがとうございました。どうぞお納めください」と感謝の言葉を添え、相手から見て文字が正面になるよう時計回りに向きを変えて差し出すのが洗練された大人の所作です。