物語の結末において、柊一颯が仕掛けた10日間の人質劇の全貌が明かされました。景山澪奈を死に追いやった決定打は、フェイク動画を作成した悪徳教師でも、それを依頼した半グレ集団でもありませんでした。真の引き金となったのは、SNS「マインドボイス」上で無責任に誹謗中傷を浴びせ続けた「顔も名前も見えない無数のネットユーザー」だったのです。
ここで見落としてはならないのは、ネット上で散見される「柊一颯は生徒たちを罰するために事件を起こした」という誤解です。真相はまったく異なります。柊が本当に教育したかった対象、そして裁きの場に引きずり出したかった対象は、生徒たちではなく、画面の外で安全圏から石を投げ続けていた世間そのものでした。
最終回、ビルの屋上で生配信のカメラに向かい、柊は視聴者へ向けて最後の授業を行いました。「お前たちが澪奈を殺したんだ」「お前たちの一言が、どれだけ重いか知れ」と怒号を浴びせ、すぐさまコメント欄で繰り広げられる「こいつヤバい」「早く死ね」といった手のひら返しをリアルタイムで見せつけます。生徒たちは人質ではなく、その醜悪な光景を間近で目撃し、自ら考える力を手に入れるための「生徒」として守られていたのです。