有料職業紹介事業の立ち上げを円滑に進めるには、準備の順序を誤らない段取りが求められます。管轄の都道府県労働局へ申請書類を提出してから免許が交付されるまでの標準的なスケジュールと必要手順を整理します。
まず最初に着手すべきは、「職業紹介責任者講習」の受講です。事業所ごとに職業紹介に関わる従業者50人あたり1名以上の専任責任者を配置しなければならず、講習受講証明書(受講日から5年以内のもの)は許可申請時の必須添付書類です。講習は公益財団法人や民間指定機関で定期開催されていますが、予約が1〜2ヶ月先まで埋まっていることも珍しくないため、事業計画の初期段階で真っ先に枠を確保してください。
続いて、事業運営の根幹となる「手数料表」と「業務の運営に関する規程」の策定を行います。手数料体系には「上限制手数料」と「届出制手数料」の2種類が存在しますが、民間人材紹介会社のほぼ100%が届出制手数料を選択しています。一般的には「求職者の就職後1年間に支払われる賃金の100分の50以下」として届け出を行い、実務上の契約(求人企業との個別契約)において「理論年収の30%〜35%」などと定めて運用します。早期退職時の「返金規定(リファンドポリシー)」もこの段階で明確に設定しておく必要があります。
申請書類一式(事業計画書、手数料表、登記事項証明書、定款、役員の住民票・履歴書、賃貸借契約書、事務所のレイアウト図面など)を労働局へ提出するタイミングにも注意が必要です。多くの労働局では「毎月末締め切り」で審査が進み、翌々月または翌々々月の「1日付」で厚生労働大臣名による許可証が交付されます。提出から免許交付まで約2〜3ヶ月の審査期間を要するため、事業開始目標日から逆算したスケジュール管理が不可欠です。