青山優雅が雄英高校の情報を敵連合に流し続けていた背景には、本人の悪意ではなく、オールフォーワン(AFO)による逃れられない呪縛と脅迫がありました。
青山家は裕福で愛情深い家庭でしたが、優雅は生まれつき「無個性」でした。超常社会において無個性が受けるであろう将来の差別や孤立を恐れた両親は、我が子の幸せを願うあまり、裏社会の支配者であったAFOと接触。「ネビルレーザー」の個性を買い与えてもらう契約を結んでしまいます。
しかし、それは破滅への入り口でした。AFOは「与えた恩」を盾に青山家を完全に掌握。指示に従わなければ一族諸共抹殺するという絶対的な恐怖で縛り上げ、優雅を雄英高校へスパイとして送り込んだのです。
青山が幼少期から腹部に装着していた特注の集光ベルトは、単なるサポートアイテムではなく、「他者から無理やり移植された個性に対し、肉体が適応できていない拒絶反応」を抑えるための医療器具に近い性質を持っていました。デクが無個性からワン・フォー・オールを受け継いで体を壊していた境遇と、青山が置かれていた境遇は、まさに光と影のコインの表裏だったと言えます。