ネット上の不動産掲示板やSNSでは「築古でもリノベーション済み物件なら安くてお洒落に暮らせる」という楽観論が散見されます。しかし、寒冷地特有の住環境を熟知する建築士や専門家は、安易な表層リノベーションに警鐘を鳴らしています。
長岡市内の中古市場に出回る安価な再販物件の中には、クロスやフローリング、システムキッチンなどの内装だけを最新設備に一新した「化粧直し物件」が少なくありません。築35年を超える旧耐震・初期新耐震のマンションでは、躯体のコンクリート壁に十分な断熱材が入っていないケースが多く、開口部が単板ガラス(シングルガラス)のままであれば、厳冬期には強烈な底冷えと結露に悩まされます。
特に専有部内の給排水管が当時の亜鉛メッキ鋼管や銅管のまま隠蔽配管されている場合、入居後数年で漏水事故を引き起こすリスクがあります。マンションの規約上、サッシや玄関ドアなどの共用部は個人で自由に断熱改修できないケースが大半です。「内装の見た目の美しさ」に惑わされず、サッシの内窓(インナーサッシ)設置の可否や、配管の更新履歴まで確認することが不可欠です。