配信プラットフォームが日常に浸透した現在、HuluやTVerなどで過去の名作バラエティやアーカイブ映像が手軽に視聴できるようになり、Z世代をはじめとする若い視聴者が『電波少年』の映像に触れる機会が増えている。CGも過剰な演出もない、ただ二人の青年がボロボロになりながら歩き続ける姿は、タイムパフォーマンスや効率を重視する現代において、逆に強烈なリアリティと新鮮さをもって受け止められている。
そうした過去の再評価を追い風にしつつも、当の森脇自身は過去の栄光に縛られる様子はない。芸能界の第一線で数字を争う競争から一歩退き、自らが心から納得できる仕事、信頼できる仲間との表現活動に軸足を置く現在のライフスタイルは、かつてないほどの充実感を漂わせている。
「有名になること」や「大金を稼ぐこと」だけが人生の成功ではない。一度すべてを手に入れ、すべてを手放した経験を持つ男だからこそ辿り着いた境地。見栄やプライドを削ぎ落とした先にある穏やかな笑顔が、彼の充実した現在を何よりも雄弁に物語っている。