右綴じと左綴じの違いとは?縦書き横書きのルールと製本の失敗防止策

右綴じと左綴じの違いとは?縦書き横書きのルールと製本の失敗防止策

右綴じと左綴じの違いとは?縦書き横書きのルールと製本の失敗防止策に関するポイントを詳しくまとめました。最新データをチェックしましょう。

印刷工場の進行管理担当者や、同人誌即売会で自作本を頒布するクリエイターたちの間で、毎年必ず繰り返される痛恨のトラブルが存在します。現場の実態を調査すると、特に多い失敗パターンは以下の3点に集約されます。

最大の惨事は、「縦書き原稿なのに発注フォームで左綴じを選択してしまうミス」です。印刷所側は完全データ入稿の規定上、意図的な表現なのか設定ミスなのかを自動判別できません。そのまま刷り上がると、表紙を開いた瞬間に物語の最終ページが現れ、後ろから前へと読み進めなければならない致命的な欠陥本が完成します。

二つ目は、見開きイラストや迫力あるコマ割りにおける「左右配置の逆転」です。グラフィックソフト上で「見開き表示」にしていたとしても、綴じ方向の設定を誤っていると、奇数ページと偶数ページの左右位置が反対になります。「右ページにあるはずのキャラクターの視線」が外側を向いてしまい、意図した心理描写やダイナミズムが台無しになるケースです。

三つ目は、無線綴じ特有の「ノド落ち(文字や顔の食い込み)」です。同人誌即売会で小説本を出典したある作家の手記には、こう記されています。

「仕上がり見本が届いて愕然としました。ページの内側ギリギリまで文字を詰めてしまったため、本を両手で力任せに左右へ押し広げないと、行頭の文字が読めない状態になっていました。読者に苦痛を与える本を作ってしまった後悔は計り知れません」(文芸同人サークル主宰の手記より)

中綴じと異なり、糊で固める無線綴じでは背表紙側に5〜10mmほどの「隠れる領域」が生まれます。本文の文字や漫画の重要なセリフは、仕上がり位置からノド側へ最低15mm〜20mmの余白(インサイドマージン)を空ける設計が現場の必須作法です。

松本 悠斗
著者

松本 悠斗

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。