ネット上のQ&AサイトやSNSで最も頻出するのが、「画質が綺麗で新しい『業』から見始めても大丈夫か?」という疑問です。この問いに対する明確な答えは「絶対にNG」です。
2020年秋の放送開始当初、公式プロモーションではタイトルが単に『ひぐらしのなく頃に』とだけ表記され、あたかも第1期のリメイクであるかのように宣伝されました。しかし、第2話の放送直後にタイトルが『ひぐらしのなく頃に業』へと差し替えられ、原作者・竜騎士07氏の手による完全な続編・新プロジェクトであることが明かされるという異例のサプライズ演出が敢行されました。
この演出意図からも明らかなように、『業』は「旧作(無印・解・礼)の結末や真犯人、黒幕の正体、雛見沢症候群の全容をすでに知っているファン」に向けて作られています。
もし予備知識ゼロの状態で『業』から視聴を始めてしまうと、以下の取り返しのつかないデメリットが発生します。
・第1期『無印』で数十話をかけて積み上げた「誰が敵で誰が味方か分からない」疑心暗鬼のサスペンスが最初から無効化される
・第2期『解』の最大のカタルシスである「黒幕の正体」や「梨花の秘密」が序盤であっさりと判明してしまう
・登場人物たちの行動原理や確執の根本理由が把握できず、ストーリーに感情移入しづらくなる
「最新作から入りたい」という気持ちは理解できますが、本作に限ってはひぐらしのなく頃に アニメ どこから見るかという起点を間違えると、ミステリー作品としての面白さを7割以上喪失してしまいます。遠回りに見えても、2006年の『無印』から順を追って観ていくことこそが、最も贅沢な楽しみ方です。