久保帯人氏の卓越した言語感覚が光る単行本の巻頭ポエムにおいて、市丸ギンが飾ったコミックス第47巻のポエムは、ファンの間で「シリーズ最高峰の切なさを誇る名詩」として語り継がれています。
【コミックス47巻 巻頭ポエム】
「あなたが明日 蛇となり
人を喰らい 始め
人を喰らった その口で
ボクを愛すと 咆えたなら
ボクは果たして 今日と同じに
愛すと 言えるだろうか」
このポエムは、一見すると愛憎入り乱れる狂気の詩のように読めますが、ギンの生き様を知った後に読み解くと全く異なる情景が浮かび上がります。
蛇となったのは乱菊ではなく、「乱菊のために自ら泥をすすり、蛇になり果てたギン自身」でした。もし自分が化け物になり、手を血に染めてまで乱菊を救おうとしたとき、彼女は自分を受け入れてくれるだろうか――という、恐ろしいほどの孤独と乱菊への無償の愛、そして自責の念が織り込まれているのです。