なぜこのような混乱が生じたのか。文法的根拠を紐解くと、文化庁の文化審議会が答申した「敬語の指針」に行き着く。この指針策定に深く関わった国語学者の菊地康人氏らの研究によれば、日本語の敬語体系は「尊敬語」「謙譲語(Ⅰ・Ⅱ)」「丁寧語」「美化語」の5分類に整理されている。
この分類に従えば、「了解しました」は語尾を丁寧にした丁寧語であり、自らを低く置く謙譲語ではない。つまり、相手への敬意を示す度合いとしては最低限のレベルにとどまる。目上の人物に対して十分な敬意を表すには、丁寧語だけではなく謙譲語を用いた表現を選択するのが日本語の構造上、より適切だと整理できるのだ。