世界の宇宙業界に大きな打撃を与えているのが、打ち上げサイクルの短縮化と製造コストの圧縮だ。かつてロケットの製造は数か月単位の試作に近いプロセスだったが、中国航天科技集団(CASC)はモジュール化とライン生産の徹底により、驚異的なペースでの機体供給を実現した。
米スペースXの「ファルコン9」が圧倒的な再利用技術で市場を席巻する中、使い捨て型でありながら高効率な量産体制と国策によるバックアップを武器にする中国の手法は、独自の強力な対抗軸を築いている。欧州の「アリアン6」や日本の「H3」が商業打ち上げのシェア獲得に試行錯誤を続ける中、中国は自国政府・軍の需要を確実に吸収しながら、新興国向けの衛星打ち上げパッケージとしても提示できる強みを持つ。
標準化されたエンジンとモジュール設計が生み出すこの安定した打ち上げペースは、国際宇宙市場におけるパワーバランスを確実に書き換えている。