ガイドブックのカタカナをそのまま読み上げても、現地のタクシードライバーや市場の店員に「え?」と聞き返されてしまう現象が多発しています。原因は、日本語特有の「平坦なモーラ(拍)意識」と「LとRの混同」にあります。
ネイティブの耳に自然に届く発音を手に入れるには、3つの明確なポイントを押さえる必要があります。
第一に、アクセントは最初の音節「バ」に置くことです。日本語のように「バ・ヤ・ル・ラ・ラー」と平らなイントネーションで発声すると、非常に聞き取りづらい音になります。頭の「バ」をポンと前に弾き出し、残りの音は後ろへ軽やかに滑らせるイメージを持ちます。
第二に、「ル(р)」と「ラ(ла)」の境界を巻き舌で一体化させる点です。「Баярлалаа」の綴りを見ると、rの音である「р」の直後に「л(l音)」が続いています。日本人はつい「ル」で口の奥に母音の「u」を挟んでしまいがちですが、実際には「ル」の母音をほぼ脱落させ、「バヤルラー(Bayarlaa)」と舌先を上の歯茎裏で軽く弾くように発音します。現地の大衆的な食堂やカフェで交わされる会話を観察すると、語末の母音も過剰に引き延ばさず、弾力のある「バヤルラー!」というリズムで発声されていることがわかります。
第三に、息を吐き出す力強さです。乾燥した広大な大地で遠くまで声を響かせてきた言語的背景から、モンゴル語は子音の破裂や息の圧力が日本語より強めです。モゴモゴと小さな声で囁くのではなく、相手の目をしっかりと見て、胸から声を響かせる意識が通じるための最短ルートとなります。