デリケートゾーンにできものが生じた際、読者の多くが直面するのが「婦人科へ行くべきか、それとも皮膚科・形成外科を受診すべきか」という受診科目の迷いです。実際、医療相談プラットフォーム等でも最も閲覧数の多いトピックとなっています。結論から言えば、「しこりができている具体的な解剖学的位置」によって受診先を選択するのが最も確実です。
判断の境界線は「有毛部を含む外側の皮膚か、膣粘膜に近い内側の領域か」にあります。
【皮膚科・形成外科を選ぶべきケース】
しこりの位置が大陰唇の外側、恥骨付近(Vライン)、鼠径部、あるいは臀部に近い外側の皮膚である場合、迷わず皮膚科や形成外科を選択してください。粉瘤は皮膚付属器に由来する良性腫瘍であるため、皮膚外科の専門領域となります。特に傷跡を目立たせたくない場合や、再発を防ぐための確実な被膜摘出を望む場合は、日帰り手術を標榜する形成外科クリニックが第一選択となります。
【婦人科(産婦人科)を選ぶべきケース】
小陰唇の内側、膣口のすぐ脇、尿道口の周辺など、粘膜組織に近接している部位のできものは婦人科が適しています。前述したバルトリン腺嚢胞や外陰部潰瘍、性感染症との鑑別診断が必要となるためです。内診台での視診・触診に長けており、女性特有のデリケートな解剖構造に配慮した処置を受けられます。
なお、皮膚科クリニックの中には陰部の診療に対応していない施設や、女性医師の診察日を限定している施設もあります。事前に医療機関のウェブサイトを確認し、「形成外科・アテローム日帰り手術対応」「外陰部のできもの診療可能」などの記載があるクリニックを選ぶと、転院の手間を省くことができます。