値下げしても買い手がつかず、店側の許容コストを超えてしまった個体はどうなるのか。ここで浮上するのが、動物愛護管理法の規制強化の隙間を縫うように誕生したペットショップ引き取り屋の実態です。
引き取り屋とは、ペットショップや繁殖業者から「1頭あたり数万円(相場は1万〜4万円前後)」の処理手数料を受け取り、売れ残った犬猫を有料で引き取る業者の俗称です。自治体が引き取りを拒否するようになった結果、表舞台で処分できない業者にとっての「抜け道」として機能してきました。
引き取られた動物たちを待ち受ける運命は過酷です。一部の悪質な施設では、最小限のフードと水だけを与えられ、狭いケージに何重にも押し込められた状態で放置されます。病気になっても獣医師の治療は受けさせず、自然死するのを待つだけの「実質的な民間の餓死・病死収容所」と化している現場が動物保護団体や報道によって度々告発されてきました。
もう一つのルートが、ペットショップ売れ残り繁殖犬の経緯です。血統書付きで骨格や毛並みに問題がない雌の犬猫は、パピーミル(子犬工場)などの繁殖拠点へと戻され、繁殖用の親犬・親猫(種犬・台牝)として再利用されるケースがありました。
しかし、繁殖犬への転用ルートも変容を迫られています。数値規制により、雌犬の生涯出産回数は「原則6回まで・交配時の年齢は6歳以下」と法的に厳しく制限され、ブリーダー側の飼育可能頭数にも上限が課されたためです。受け入れ側のキャパシティが逼迫したことで、安易な繁殖転用も難しくなり、業界内での玉突き現象が起きています。