投資行動心理学および資産形成の実務的な観点から、本ファンドとの向き合い方について明確な基準を提示します。
現代の個人投資家が陥りやすい代表的な心理トラップが、「現状維持バイアス」と「均質化バイアス(同調圧力)」の2つです。
すでに企業型DCやiDeCoで本ファンドを長年積み立てている加入者は、ネット上で「最安ファンドではない」と叩かれているのを見て不安になり、慌てて売却やスイッチングを検討しがちです。しかし、年0.03%程度のコスト差は、100万円の運用で年300円程度に過ぎません。すでに運用益が出ている特定口座で売却すれば課税コストが生じますし、確定拠出年金内であっても、わずかなコスト差を追うために頻繁に配分を変更することは長期運用の規律を乱すリスクを孕みます。確定拠出年金の枠組み内であれば、「そのまま継続保有して淡々と積み立てを続ける」ことが最も賢明な処方箋となります。
対照的に、新NISA口座を開設し、ゼロベースでネット証券(SBI証券や楽天証券など)から投資先を選定できる新規投資家であれば、話は別です。あえて年0.176%の本銘柄を新規指定する理由は乏しく、純資産総額とコスト面で優位に立つ「eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」などを選択するのが合理的です。
本ファンドがおすすめできる人
- 勤務先の企業型DCや利用中のiDeCoの選択肢に本ファンドがあり、TOPIXに分散投資したい人
- すでに本ファンドで長期運用を継続しており、確固たる含み益が出ている人
- わずかなコスト差に一喜一憂せず、三井住友ブランドの安定した運用体制に信頼を置きたい人
本ファンドを避けるべき(慎重になるべき)人
- ネット証券の新NISAつみたて投資枠で、1円でも安い最安コストファンドを自ら選びたい人
- 日経平均株価の大型ハイテク株中心のハイリターンを再現したい人(日経225連動型を好む人)
- 為替リスクを許容した上で、資産を世界経済全体に完全に委ねたい人(オルカン単体投資派)