地域包括支援センターや福祉現場の相談員に取材すると、昭和22年生まれを取り巻く課題には特有の傾向が見て取れます。現在79歳を迎えるこの世代は、日常生活を自身でこなせる健康寿命の維持と、心身の衰えとの狭間で最も揺れ動くフェーズにあります。
第一の障壁が「運転免許の自主返納問題」です。地方部を中心にマイカーへの依存度が高い団塊世代の男性からは、「車を手放したら買い物も通院もできず、社会から孤立する」「長年無事故無違反でやってきたプライドがある」という強い抵抗感が示されます。これに対し、50代前後の子ども世代(団塊ジュニア)からは、「親の運転がおぼつかなくなりヒヤヒヤしているが、強く言うと激昂されて話し合いにならない」といった深刻な悩みがネットの相談掲示板やSNS上で噴出しています。
また、配偶者との死別や健康状態の悪化を契機とする「老老介護」や「認認介護」の懸念も現実味を帯びています。地域コミュニティへの参加率が比較的高い女性に比べ、会社中心の人生を送ってきた男性単身者の場合、定年後の人間関係が希薄化し、セルフネグレクトや孤立死のリスクが高まりやすい点は見逃せない現場の真実です。