画材ジェッソとは?塗らないと起きる失敗と劇的下地効果の全貌

画材ジェッソとは?塗らないと起きる失敗と劇的下地効果の全貌

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美大生やプロ作家が集うアトリエ、そしてSNS上のクリエイターコミュニティを調査すると、市販の「張りキャンバス」に対する下地処理の是非について、熱い議論が交わされています。現在、画材店で販売されている張りキャンバスの多くには、あらかじめ工場出荷時にアクリルエマルジョン塗料が塗布されています。

「市販品は最初から白いのだから、そのまま描いても問題ないのではないか」という声は少なくありません。しかし、現場で活動する実力派ペインターの手記や制作ログを精査すると、「既製品のキャンバスであっても、必ず自分の手でジェッソを最低1〜2回重ね塗りする」というプロが圧倒的多数を占めている事実が浮き彫りになります。

「市販キャンバスの工場塗りは、コストを抑えるため塗膜が薄く、布の織り目がスカスカな状態が多い。筆を走らせたときの抵抗感がバラバラで、意図した絵具の伸びが得られない。自分の好みの硬さにジェッソを塗り重ねてこそ、初めて自分のキャンバスになる」(都内美術プレップスクール講師の講評談)

実際に生のキャンバス地と、ジェッソを丁寧に2度塗りしたキャンバスで水滴テストを行うと、その差は歴然です。生の布地や簡易加工品では水滴が瞬時に繊維へと浸透して染みを作りますが、適切にジェッソを塗布した表面では、水滴が綺麗な半球状を保ちつつ、数十秒かけてゆっくりと馴染みます。この絶妙な「制御された保水性」こそが、ぼかしやグラデーションを意のままにコントロールできるプロの現場の秘密です。

石川 優花
著者

石川 優花

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。