茨城大学農学部は、現代の農業・バイオテクノロジーの潮流に即して食生命科学科と地域総合農学科の2学科体制に再編されています。受験生が願書を出す段階で、自らの将来像とマッチしているかを正確に見極める必要があります。
ミクロの分子生物学から食を科学する「食生命科学科」
食生命科学科は、食品科学、応用微生物学、分子機能利用学などを軸とする、いわゆるバイオサイエンス・フードサイエンスの探求に特化した学科です。「国際食産業科学コース」と「バイオサイエンスコース」が用意されており、細胞培養や遺伝子解析、食品加工の機能性評価、微生物を活用した発酵技術などを実験室レベルで深く追究します。卒業研究を担う研究室の設備は最新機器が揃っており、将来的に食品メーカーのR&D(研究開発)や品質管理、医薬品・バイオ関連産業を目指す学生が集まります。
フィールド実証と社会共創を担う「地域総合農学科」
対する地域総合農学科は、マクロな視点から農業生産、生態系管理、地域経済の活性化を学ぶ学科です。「農業科学コース」「地域共生コース」などを擁し、土壌肥料学、作物栽培学、農業経営経済学、スマート農業技術などを網羅します。キャンパス隣接の広大な付属農場を活用した作物栽培、霞ヶ浦流域の水資源管理、さらには地元自治体やJAと連携した地域活性化プロジェクトなど、現場で泥臭くデータを収集・分析するフィールドワークが教育の根幹にあります。
大学院連携と取得可能資格の優位性
専門教育の先には、より高度な研究を担う茨城大学大学院農学研究科(修士課程)への道が開かれています。さらに博士課程については、東京農工大学・宇都宮大学・茨城大学の3大学が連合して運営する「東京農工大学大学院連合農学研究科」へと直結しており、地方国立大でありながらトップクラスの博士学位取得ルートが整備されています。
また、所定の科目を履修することで、食品衛生管理者、食品衛生監視員任用資格、学芸員資格、甲種危険物取扱者(受験資格)、測量士補(コースによる)などの実利的な専門資格の取得ルートが確立されている点も、手堅いキャリア形成を支える要素です。