海外に目を向けると、日本の「8月15日終戦」という感覚は決してグローバルスタンダードではありません。国際法における第二次世界大戦の戦闘終結は、書面による調印と軍事的実効性を伴う手続きを基準とするため、国ごとに記憶される日付が根本から異なっています。
連合国側にとっての真の終戦日は、1945年9月2日です。東京湾に停泊した米戦艦ミズーリ号の甲板上において、重光葵外相と梅津美治郎参謀総長が降伏文書調印式に臨み、連合国最高司令官マッカーサーら立ち会いのもとで署名を行いました。アメリカ、イギリス、フランス、オーストラリアなどの西欧同盟国では、この調印が行われた9月2日を「対日戦勝記念日(VJデー:Victory over Japan Day)」と定めています。
さらに、旧ソ連の流れを汲むロシアでは、極東での軍事行動完了を根拠として9月3日を戦勝記念日として法制化しています。条約上の完全な戦争終結という観点に立てば、日本が主権を回復した1952年4月28日のサンフランシスコ平和条約発効こそが、法的な交戦状態の正式な終結点です。
このように並べて比較すると、世界各国の終戦日との違いは、単なるカレンダー上のずれではなく、「何を終戦の基準とみなすか」という国家観の違いそのものであることが浮き彫りになります。