冬になると官公庁やメディアで頻繁に呼びかけられる「暖房は20度」というフレーズ。この根拠は、環境省が提唱するウォームビズにおける設定温度の目安に端を発しています。ここで極めて多くの人が誤解しているのが、「エアコンのリモコンを20度に設定すればよい」と思い込んでしまう点です。
環境省や一般社団法人日本冷凍空調工業会が示す公式見解では、あくまで「暖房時の室温の目安が20度」と定義されています。暖かい空気は天井付近に滞留しやすく、足元は冷たいままになりがちなため、エアコンの吸気部センサーが「設定温度に達した」と誤認してしまうケースが後を絶ちません。結果として、リモコンを20度に設定しているのに足元は16度しかなく、寒さに耐えかねて25度まで一気に上げてしまうという悪循環が発生します。
資源エネルギー庁の試算データによると、冬のエアコン設定温度を1度下げるだけで、消費電力を約10%削減できるとされています。例えば、設定温度を22度から20度へ2度引き下げた場合、シーズン全体(約5か月間)で数千円から1万円規模の電気代圧縮につながります。大切なのは、リモコンの数字を無理に下げることではなく、室温20度でも全身がしっかりと暖かさを感じられる住環境を構築することです。