思春期の身体発育において、骨端線が閉鎖する引き金となるのは性ホルモンの血中濃度上昇です。男子であればテストステロンの一部がアロマターゼという酵素によってエストロゲンへと変換され、女子であれば卵巣から分泌されるエストロゲンが直接骨端線に働きかけ、骨の成熟を完了させます。
この生理現象を背景に、成長期特有のホルモン動態と豆乳の作用について医学関係者の間でも慎重な議論がなされてきました。大豆イソフラボンは「アゴニスト(作動薬)」として働く場合もあれば、体内の強いエストロゲンが受容体に結合するのを邪魔する「アンタゴニスト(拮抗薬)」として働く場合もあります。つまり、体内のホルモン環境に応じて挙動が変わるため、一概に骨端線を閉じるとは断定できない複雑な性質を持っています。
懸念すべきは、極端な偏食やサプリメントによる過剰摂取です。通常の食事に加え、高濃度のイソフラボン抽出錠剤などを無秩序に摂取し続けた場合、内分泌系へ望ましくない影響を与えるリスクは理論上否定できません。しかし、コップ1〜2杯程度の豆乳を習慣的に飲むこと自体が、骨の成長停止を引き起こす直接のトリガーになる可能性は医学的に極めて低いと評価されています。