このスラングの面白さを深く理解するためには、組み合わされた2つの要素のバックボーンを知る必要があります。
1. 断末魔「グエー」のルーツ:ドカベンAAと野球漫画の文脈
「グエー」という特徴的な叫び声の元ネタは、水島新司氏の名作野球漫画『ドカベン』をはじめとする昭和の少年漫画です。作中で打球が直撃した際や激しいクロスプレーで選手が倒れるシーンの擬音・セリフが、2ちゃんねる初期にアスキーアート(AA)化され、リアクション用のテンプレとして愛用されていました。文字通りのリアルな苦痛ではなく、どこかマヌケで記号化されたやられ描写として機能していた点がポイントです。
2. 語尾「ンゴ」のルーツ:元中日ドミンゴ投手の悲劇
一方の「ンゴ」は、なんJを代表する屈指の流行語です。その起源は2008年3月28日のプロ野球開幕戦(中日ドラゴンズ対広島東洋カープ)に遡ります。同点で迎えた延長10回裏、中日の抑えとして登板したドミンゴ・グスマン投手が、1アウトも取れずにサヨナラ負けを喫するという衝撃的な救援失敗(ドミンゴの悲劇)を起こしました。
この出来事以降、掲示板上では「やらかしてしまった時」「取り返しのつかない大失敗をした時」の語尾に「〜ンゴ」をつける文化が誕生。ドミンゴ投手の名前の後ろ2文字が、失敗を象徴する接尾辞として定着しました。