一つの断層が破砕されたとき、衝撃はそこで終わらない。近年の研究で最も警戒されているのが、近接する断層どうしが共振するように連続破壊を起こす「連動メカニズム」である。東日本大震災以降、プレート境界型地震と陸域の直下型地震との相関関係に対する理解は急ピッチで深まった。
隣接する地下の割れ目に力が波及し、数十分から数日のタイムラグを経て第二、第三の巨震を引き起こす。この悪夢のようなシナリオは、単独の地震想定に基づいた従来の防災計画を無力化しかねない。広域に及ぶインフラの遮断と同時多発的な崩落は、救助活動を途絶させ、被害規模を指数関数的に拡大させる恐怖を孕んでいる。