国内で発行されたすべての出版物を収集・保存する法定納本制度を担う国立国会図書館では、膨大な蔵書の大半が地下深くの巨大な閉架書庫に格納されている。膨大な紙の資産を永続的に保存するためには、湿度や温度が厳密に管理された閉架が不可欠であり、開架と閉架のバランスこそが図書館インフラの生命線といえる。
電子書籍の定着が進む出版業界にとっても、リアルの開架空間は今や貴重な「書籍のショーケース」だ。オンラインストアのアルゴリズム検索では出会えないマイナーな専門書や写真集が、棚の背表紙を通じて読者の目に留まる。紙の質感や装丁の美しさを直接訴求できる開架は、出版流通の多様性を支える物理的砦としての機能を増している。