しかし、この至高の一杯を取り巻く環境は、年々厳しさを増している。近年の地球温暖化に伴う海水温の上昇は、北海道の昆布漁に深刻な打撃を与えているのだ。利尻島でも良質な昆布の収穫量が激減しており、仕入れ価格は高騰の一途をたどっている。
それでも店側は、品質を落とすという選択肢を一切持たない。産地との強固な信頼関係を維持し、最高品質の利尻昆布を確保し続けるための努力は並大抵のものではない。一杯のラーメンの裏には、気候変動という地球規模の課題と闘いながら、日本の食文化を守ろうとする職人たちの執念が隠されている。