自然の花を長く楽しむ手法として親しまれてきたドライフラワーと、プリザーブドフラワーには決定的な違いが存在する。ドライフラワーは水分を抜いて乾燥させるため、経年とともに褪色し、触れると脆く崩れやすい。対照的に、プリザーブド加工は花本来の瑞々しさを細胞レベルで維持する。
この技術のパイオニアとなったのが、1991年に画期的な製法を確立したフランスのヴェルモント社だ。彼らは生花から樹液を抜き取り、代わりに人体に無害な有機保存液と染料を浸透させる技術を開発した。この保存液の主成分となるのがポリエチレングリコールである。植物の組織内にこの成分を行き渡らせることで、乾燥しても花びらが固化せず、まるで摘みたてのようなしっとりとした弾力が保たれる。