「くだらなすぎて笑いが止まらない」という視聴体験は、単なる暇つぶしにとどまらない深い心理的カタルシスをもたらします。近年、メディア心理学や社会学の分野でも、あえて低俗性やナンセンスを楽しむ「キャンプ的受容(Camp Aesthetics)」のメカニズムが注目されています。
高精細なCGと複雑怪奇なマルチバース展開が主流となった大作映画に対し、B級コメディは徹底して「わかりやすさと勢い」に特化しています。緻密なストーリーテリングを追うストレスから鑑賞者を解き放ち、突発的なギャグやチープな特撮によって笑いのツボを直接刺激する構造こそが、中毒者を生み出す本質的な仕掛けです。
映画関係者や脚本家への取材でも、「B級コメディを成立させるには、A級作品以上の緻密なタイミング計算と、作り手自身が楽しんでいる熱量が必要不可欠」と語られています。作り手が本気でふざけ倒す姿勢に触れたとき、視聴者は一種の共犯関係のような親近感を抱き、熱烈なリピーターへと変化していきます。