地上波での放送枠が激減し、一時は衰退を囁かれた時代劇が、いま劇的な復活を遂げている。牽引役はNetflixやU-NEXTといったグローバル動画配信プラットフォームだ。巨額の制作費を投じた骨太な歴史大作が世界中で配信され、国内外の若い視聴者を惹きつけてやまない。
映像制作業界の現場では、旧来のワンパターンな勧善懲悪からの脱却が急速に進んでいる。白か黒かではなく、誰もが己の正義と欲望のために生きる複雑な人間ドラマ。そこでは、かつて悪役一辺倒だった豪商たちも、激動の時代をクレバーに生き抜く「知性派のリアリスト」として再解釈されているのだ。
配信プラットフォームの普及により、海外のクリエイターや視聴者が日本の商業史に深い関心を示すケースも増えた。封建社会の厳しい身分制度のなかで、資本の力だけを武器に武士と渡り合った商人たちのドラマは、現代のスタートアップや資本主義社会の葛藤とも驚くほどシンクロする。