疲労回復に関して、インターネットやSNS上では科学的根拠の薄い情報が流通しているケースが見受けられます。代表的な誤解を検証し、正しい知識にアップデートしましょう。
誤解1:「エナジードリンクやカフェインで疲労は回復する」
カフェインは脳内のアデノシン受容体にフタをして「疲労の感覚を一時的に麻痺させている」に過ぎません。体内の疲労物質自体が消滅したわけではないため、効果が切れた瞬間に激しい反動(クラッシュ)が訪れます。過剰摂取は副腎に負担をかけ、抗ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を疲弊させます。
誤解2:「休日の寝だめで平日の睡眠負債は帳消しにできる」
起床時間が平日より2時間以上遅れると、体内時計(サーカディアンリズム)が乱れ、時差ボケと同じ「ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ぼけ)」が発生します。睡眠負債を解消したい場合は、休日に起きる時間を遅らせるのではなく、就寝時間を早めることが鉄則です。
誤解3:「単なる疲れだから病気ではない」
十分な休養や栄養補給を行っても半年以上強い倦怠感が続く場合、単なる疲労ではなく慢性疲労症候群(ME/CFS)や甲状腺機能低下症(橋本病)、睡眠時無呼吸症候群(SAS)、重度の貧血などの隠れた病気のサインである可能性があります。「たかが疲れ」と自己判断せず、専門医(内科・心療内科等)を受診する判断基準を持ちましょう。