沖縄の賃貸契約において、最も紛争に発展しやすいのが「退去時の精算費用」です。ペット可物件を契約する際、一般的な賃貸契約書には「敷金1ヶ月積み増し(敷増し)」や「ペット飼育時は敷金償却」という特約が盛り込まれます。しかし、この敷増し償却の意味を「退去時の原状回復費用が免除されるもの」と誤認したまま退去し、10万円〜30万円以上の追加請求を受けてトラブルになる事例が県内の消費生活センター等へ多数寄せられています。
敷金償却とはあくまで「貸主への礼金的な性質、あるいは特別なクリーニング基礎費用」として消滅するケースが多く、ペットによる壁紙(クロス)の引っかき傷、床の尿染み、ドア枠の齧り跡などは国土交通省の原状回復ガイドライン上でも借主の全額自己負担と判断されます。沖縄特有の高湿度環境では、ペットの体毛や皮脂がエアコン内部に付着して強烈なカビ臭を発生させるため、退去時に高額なエアコン分解洗浄費用を別途請求される契約条項も珍しくありません。
「沖縄のペット可賃貸で敷金礼金なし」を謳うゼロゼロ物件は、入居ハードルが低い反面、退去時のクリーニング費用負担特約が極めて重く設定されている場合があります。契約書に記載されたペット飼育規約の「敷増し償却」の定義と「原状回復負担区分」を契約締結前に一字一句確認することが防衛策となります。