カスタム掲示板やSNSで頻繁に議論されるのが、「スプロケットの丁数変更(ギア比ロング化)で最高速が180km/hを超えるのではないか」という仮説です。フロントスプロケットを1丁上げる(またはリアスプロケットを小さくする)ハイギア化の試みは後を絶ちません。
しかし結論から言えば、ギア比をロングに振っても最高速はほとんど伸びず、むしろ低下するケースが大半です。前述の通り、390 DUKEが6速で最高速に達する限界は「ギア比の限界(吹け切り)」ではなく「空気抵抗に対する馬力不足(パワーバンドの限界)」だからです。
ギア比を高くしすぎると、最高速アタック時にエンジン回転数がトルクピークまで上がらなくなり、風圧に負けて失速します。逆にスプロケットをショート(加速重視)に振ると、俊敏なダッシュ力と引き換えに高速巡航時の回転数が上がって振動が増大します。メーカー純正のギア比設定は、加速感と高速巡航のバランスを緻密に計算した最適解となっています。