現行犯逮捕された青森県十和田市在住の無職・梅田悟被告(当時)に対する裁判では、その身勝手極まりない犯行の動機が白日の下にさらされました。検察側の冒頭陳述や法廷での供述によると、被告は特定のメンバーに対する怨恨や熱心なファン心理の反転による執着を持っていたわけではありませんでした。
当時、仕事が続かず自宅に引きこもりがちだった被告は、社会に対する漠然とした不満や焦燥感を募らせていました。「自分とは対照的に、同世代のアイドルが大金を稼ぎ華やかに活躍しているのが気に食わなかった」「人が多く集まり、警備が手薄な場所で誰でもいいから傷つけたかった」という、極めて理不尽かつ自己中心的な衝動が凶行の引き金となったことが判明しています。
盛岡地裁で行われた裁判において、裁判長は「無防備な被害者らを狙った計画的で残虐な犯行であり、社会に与えた衝撃も極めて大きい」と指摘。2015年2月、被告に対して懲役6年の実刑判決が言い渡され、確定しました。この事件を契機に、日本のエンターテインメント業界全体における手荷物検査の厳格化や金属探知機の導入といったセキュリティ体制の抜本的見直しが進むこととなりました。