妊娠10週に入ると、「昨日まであんなに酷かった吐き気が急に消えた」「つわりが軽くなりすぎて赤ちゃんが無事か怖い」と不安を口にする声が急増します。
つわりの主原因とされるヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)の血中濃度は、妊娠8〜10週頃にピークを迎え、その後は徐々に減少カーブを描きます。同時に、妊娠15〜16週頃の完成を目指して胎盤の組織形成が本格化するため、ホルモンバランスの急変が落ち着き始めます。これが「つわりが急に軽くなる」医学的な理由です。
また、これまで高温期をキープしていた基礎体温が下がり始めるのも10週前後の特徴です。体温を高く保つ役割を担っていた卵巣由来のプロゲステロン(黄体ホルモン)分泌が胎盤へとバトンタッチされる過程で、自律神経や体温調整機構が安定期に向けてシフトしていきます。
つわりの消失や体温の低下だけで赤ちゃんの安否を過度に悲観する必要はありません。むしろ、体が胎盤の完成に向けて順調に準備を進めているサインと捉え、食べられるものを少しずつ口にして体力の回復を図ることが大切です。