小児期特有のトラブルとして臨床で頻繁に遭遇するのが環軸関節回旋位固定(AARF)です。ある日突然、子どもが首をかしげたまま戻せなくなる「斜頸(コック・ロビン肢位)」を呈します。
発症の主な原因には、転倒やベッドからの転落といった軽微な外傷のほか、咽頭炎や中耳炎、扁桃炎などの上気道感染症に続発する炎症波及(Grisel症候群)が挙げられます。小児は成人に比べて靭帯が柔軟で関節包が緩く、歯突起の骨化も未完成なため、わずかな炎症や負荷で関節面が引っかかり、ロックされてしまうのです。
発症早期であれば頚部カラー固定や鎮痛薬、軽度の牽引による保存的治療で速やかに改善するケースが大半です。しかし放置して慢性化すると整復が困難になり、手術が必要になる事例もあるため、迅速な小児科・整形外科受診が鍵となります。